依頼の受託がなされた時点で、以下のイラスト業務委託契約書が締結されたものとします(第21条(契約締結方法))。トラブル回避のためにも内容を把握しておいてください。特に第5条(制作料金)第6条(違約金)第7条(納品)などのお金にかかわる内容、第12条(著作権)第13条(著作者人格権)などの著作権にかかわる内容、第18条(契約の解除)の内容はトラブルとなりやすいためご注意ください。

なお本契約書は遂次改善していく見通しですが、有効となる契約書は依頼が締結された時点のものとなります。トラブル回避のために契約が締結された時点での契約書を手元に保管しておいてください。


イラスト業務委託契約書(ver.2023.01.01)

依頼主様(以下、「甲」という。)と管澤捻(以下、「乙」という。)は、イラスト制作に関する業務(以下、「本業務」という。)について、下記のとおり契約(以下、「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)

甲は乙に対し、本業務を委託し、乙はこれを受託する。甲は、乙が本業務を遂行するに際して、必要な協力を行う。

第2条(本業務)

乙が甲に提供する業務は次の通りとする。但し、第3条に定める仕様において本契約と異なる事項を定めた場合は、その部分について仕様を優先する。

(1)甲から提供されるテキスト原稿、画像等のデータと、乙の所有する技術、および画材やデジタルツール等と組み合わせて、イラストを制作すること。

第3条(仕様)

(1)甲が乙に委託する本業務の具体的な用途や使用媒体、内容、数量、単価、金額、納期、納入形態、納入場所、著作権、支払日、支払方法等その他本業務委託に必要な事項は個別の仕様において定める。

(2)前項の仕様については、甲が書面、または保管可能な電子データ(PDFや電子メールなどを含める。)をもって希望するイラストの内容を乙に提出し、乙がそれを承諾した時点をもって成立する。

(3)甲の事情により前2項の仕様の内容を変更する必要が生じた場合には、甲が書面、または保管可能な電子データ(PDFや電子メールなどを含める。)をもって乙にその旨を通知し、承諾を得るものとする。但し、乙により追加料金が必要と判断されたときは、甲は乙に追加料金を支払うものとする。

第4条(契約期間)

本契約の有効期間は、本契約締結の日から満1ヶ年間とする。但し、期間満了の1ヶ月前までに、甲乙いずれからも何らの意思表示もないときは、本基本契約と同一条件で更に1ヶ年間延長するものとし、以後も同様とする。

第5条(制作料金)

(1)甲は納入物の対価として、乙からの請求にもとづきその制作等に関する料金及び消費税相当額を乙に支払う。

(2)本契約に基づく料金額は甲乙が本業務の対価として定めた金額通りとする。

(3)料金の支払条件は、見積書作成から1週間以内とし、甲は乙が指定した決済代行サービスを経由して支払う。但し、第3条に定める仕様において本契約と異なる事項を定めた場合は、その部分について仕様を優先する。

第6条(違約金)

(1)本契約の締結後に、甲の都合により本契約を解除する場合には、甲は乙に対して違約金を支払うものとする。

(2)違約金は、乙が本業務の進捗状況から判断した金額通りとする。但し、甲乙が本業務の対価として定めた委託料相当額を累積限度額とする。

(3)違約金の支払条件は、本契約解除より1週間以内とし、甲は乙が指定した決済代行サービスを経由して支払う。但し、第3条に定める仕様において本契約と異なる事項を定めた場合は、その部分について仕様を優先する。

第7条(納品)

(1)乙が甲に制作物の納品を行う前に、甲は制作物の確認を行うものとする。

(2)甲は、乙からの確認依頼通知を受領後速やかに、その内容の確認を行う。甲から乙への確認通知は書面、または保管可能な電子データ(PDFや電子メールなどを含める。)をもって行う。確認依頼通知の受領後7日以内に乙宛への連絡が無い場合は、甲により制作物の内容が承認されたものとする。

第8条(使用)

甲は、乙への委託料金の完済後、第3条に定める仕様の範囲でのみ制作物を使用するものとする。なお使用後、制作物の内容に関しては、乙は一切の責任を負わない。

第9条 (制作物の返品・再制作)

納品物の再制作の必要がある場合は、費用は甲が負担し、乙が合理的な根拠に基づいて計算した追加料金を支払う。なお納品物の返品はできないものとする。

第10条(危険負担)

本制作物の滅失、毀損その他全ての危険負担については甲の責任とし、乙に責任がないものとする。

第11条(アフターサービス)

甲及び甲の顧客に対する本制作物のアフターサービス(何ら瑕疵のない本制作物について、甲がさらに変更・修正が必要と判断する場合の変更・修正業務を含む。)は、甲の費用をもって甲が行うものとする。

第12条(著作権)

(1)本制作物の著作権は乙に帰属する。但し、第3条に定める仕様において本契約と異なる事項を定めた場合は、その部分について仕様を優先する。

(2)甲から提出されたテキスト原稿、画像等の著作権については甲に帰属する。

(3)制作途中に制作案等の用途に使用して、納品物として採用されなかった制作物に関する所有権及び使用権は乙に帰属する。

(4)甲が本制作物の使用に関して、第三者から権利侵害等の理由に基づく苦情又は請求を受けた場合は、甲は乙に対し遅滞なくその旨を通知し、甲乙は、協議により必要且つ可能な対策を講ずるものとする。但し、甲と第三者との紛争の原因が、制作物作成過程において甲の指示、仕様に起因する場合は、乙は責任を負わない。

(5) 乙の著作権の譲渡の有無及び著作者人格権の不行使にかかわらず、乙は本制作物をポートフォリオとして使用することができる。但し、第3条に定める仕様において本契約と異なる事項を定めた場合は、その部分について仕様を優先する。

第13条(著作者人格権)

(1)乙は、甲が本制作物を利用するにあたり、その利用態様に応じて本制作物のサイズ、色調の変更、一部を切除することを予め承諾する。但し、甲はこれら改変であっても本制作物の本質的部分を損なうことが明らかな改変をすることはできない。

(2)甲が本制作物の内容・表現又はその題号に変更を加える場合(拡大、縮小、色調の変更等も含む。)には、あらかじめ乙の承諾を必要とする。

(3)甲は本制作物を利用するにあたって、著作者の表示をすることを要しない。

(4)本制作物の公表名義は、乙の著作権の譲渡の有無及び著作者人格権の不行使にかかわらず、甲の名義とする。

第14条(再委託)

(1)乙は、本業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。

(2)乙は、本業務の再委託先に関して、秘密保持義務については本契約に基づき、乙が負うと同様の義務を再委託先に対して負わせなければならないものとし、当該再委託先と連帯して責任を負うものとする。

第15条(秘密保持)

(1)甲及び乙は、本契約に基づいて相手方から開示され、又は本業務の遂行過程で取得した相手方の業務上、技術上、その他一切の情報(個人情報を含む。)については秘密情報として扱うものとし、相手方の事前の承諾なく、これらの情報を公表若しくは第三者へ開示し、又は本契約で定められた業務以外の目的で使用してはならない。

(2)前項の秘密保持義務は、本契約終了後においても存続する。

第16条(不可抗力)

(1)地震、台風、津波その他の天災地変、輸送機関の事故、不慮の事故や疾病その他の不可抗力により、本契約の全部又は一部の履行の遅延又は履行不能が生じた場合には、甲乙ともにその責任は負わないものとする。

(2)前項に定める事由が生じた場合には、直ちに相手方に対しその旨の通知をし、以後の対応について協議する。

第17条(損害賠償)

甲及び乙は、本契約の履行に関し、相手方の責めに帰すべき事由により直接且つ現実に被った通常の損害に限り、相手方に対して損害賠償を請求することができる。但し、損害賠償額については、甲乙が本業務の対価として定めた委託料相当額を累積限度額とする。

第18条(契約の解除)

  甲及び乙は、次の場合に本契約を解除することができるものとする。

(1)相手方が本契約の条項に違反し、且つ、当該違反の是正要求を受けてなお当該違反が是正されなかったとき。

(2)甲から提供されたテキスト原稿及び画像等のデータに、法令または公序良俗に反するものが含まれる、もしくは含まれる可能性があると乙が判断したとき。

(3)甲の言動に、法令または公序良俗に反するものが含まれる、もしくは含まれる可能性があると乙が判断したとき。

(4)甲及び乙が自らの責めに帰すべき事由によって本契約が解除されたことにより相手方に損害が発生した場合、相手方の請求により、第17条の規定にもとづく損害賠償をしなければならない。

第19条(協議)

本契約について甲乙間に疑義が生じたときは、甲乙協議のうえ、信義誠実をもってこれを解決するものとする。

第20条(合意管轄)

本契約の履行に関して生じた紛争については、横浜地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第21条(契約締結方法)

本契約は、甲が乙に対して書面、または保管可能な電子データ(PDFや電子メールなどを含める。)をもって本業務を委託する意志を示し、乙がそれを受託した時点で締結とする。